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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第4章 卒業式と、初恋。


「はい、最後の学活始めるぞー」
そこから先生が色々と話し始めたが、俺はこっそりと皆に書いて貰ったメッセージを読み始めた。
…一番最初に書いて貰ったはずの、歩風からのが無い。 
少し不思議に思いながらも、他の人からのを読み始めた。 
一つ一つを丁寧に読んでいき、最後のページまで行くと…、あった。
読もうとした瞬間、「はい! 俺の話終わり!」という先生の声が聞こえてきて、慌ててアルバムを閉じた。

「最後に、一人ずつ何か話せ。 じゃあ…、前から行って、鈴木で終わり。 はい、はじめー」
鈴木が最後…。 俺その前か。 
何話そっかなー…。

…話したい事は山程出て来る。 
だけど…、どれもこれも歩風に言いたかったりする事ばかり。 
これを皆の前で言ってもな…。
…いっそ、皆のパクればいいんじゃないか? …うん、そうしよう。

そんなこんなで、俺の番。
「はい、岩ちゃん」
「はい。 …えっと、1年間有難う。 行事ではっちゃけたり、大会でまとまったり。 色々このクラスで良かったな、って思います。 高校に行っても、ずっと仲間でいような!」
在り来たりの事を言い、座る。
隣の歩風は、どこか緊張しているみたい…。

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