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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第4章 卒業式と、初恋。


…歩風と一緒に外に出ると、皆写真を撮っていた。
「俺達も撮る?」
「うん」
そうして歩風がカメラを操作し始めた時だった。

「あの…、歩風ちゃん!」
女子が数人、集まってきていた。

「ん…? どうしたの?」
「うちらと一緒に、写真撮ってくれない?」
「あ…」
嬉しそうだけど、少し困った様な表情をしていた。

「どうした?」
「剛典と…。 どうする?」
「俺はいいよ。 先に撮っておいで。 30分後、体育館の西口前な」
俺も他の人とも撮りたい、というのもあったが、歩風に気持ちを伝える覚悟を決めておきたかった。

「分かった。 30分後ね」
そう言うと、その子達と一緒に行ってしまった。

「剛典~! 一緒に撮ろうぜー!」
「はーい」
それから色んな人達と一緒に撮り、告白の脳内シミュレーションを終わらせ、待ち合わせを約束した場所に向かった。

…それから5分位して、彼女が来た。
「ゴメン! 待った?」
「いや、まだ約束の10分前だし。 全然大丈夫だよ」
「そっか。 …あ、写真撮ろう!」
「うん!」

カメラを取り出し、レンズをこっちに向けた。
「…どう撮れるか分からなくない?」
「大丈夫。 どうにかなるでしょ。 …はい、チーズ!」
彼女の声に合わせ、咄嗟にピースをした。

「あ、上手く撮れた!」
そう言って見せてきた画面には、笑顔で映る俺と歩風。
…こんな笑顔の歩風を近くで見られるのも、後少しか…。

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