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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第5章 俺と、大きくなった君の存在。


会場に入ると、準備してある料理と飾りが、俺達を迎えた。

「うわぁ、凄い…!」
…って、柚と希緒は声を揃えて言ってる…。

俺達が学年の最後だったみたいで、飲み物を受け取ると元担任が小さいステージに上がって話を始めた。

…俺はその話など耳に入らず、ただ周りを見渡していた。
でも…、歩風の姿は見えなかった。

「乾杯!」
その少し大きめの声で我に返り、慌てて軽くグラスをあげた。

「あゆ、居た?」
そう聞いてくる希緒。
「いや、いない…かな」
「そっか…。 途中からでも来てくれるといいね。 私も会いたい」
そう少し寂しそうな希緒に、「俺も」とだけ返した。

…そんな事を俺等が話している間、クラスメート達は昔話に花を咲かせているみたいだった。
そんな中、何故か先生だけがそわそわしていた。

「本江先生、なんか変じゃね?」
「え、いつも変でしょ」
「変…。 明るいって事にしとこうよ」
「まあ、良いけど。 …とりあえず、怪しいし行ってみる?」
「そうしよっか」
希緒と2人で歩いていくと、先生はこっちに気が付いたみたいだった。

「岩ちゃん、能瀬、久し振りだなー!」
「お久し振りです、先生」
そう言うと、先生は笑顔になった。

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