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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第5章 俺と、大きくなった君の存在。

柚は確か、歩風と高校が一緒だったか。
時々メールで話を聞いてたな。

「お前は身長伸びた所でバカに変わりはねえよ」
そう言って、歩風の元に寄る奴。

「そんな事言われなくても知ってるわ。 …久し振りなのに、何でこんな会話しなきゃいけないの」
そう笑いながら柚から離れ、そいつの方を向いた。

「久し振りだな、歩風」
「私の事名前で呼ぶの珍しいね。 …久し振り、要」
…要。 何かこいつらは小さい言い争いをずっと続けてたイメージがあるな…。

「鈴木も変わってねえな。 …あ、俺もか。」
そう言いながら、握手する。

「皆、変わってなくて安心した。 帰ってきて良かった…!」
「お前は半分仕事だろ」
「まあね」

歩風の話では、出来れば普通に帰ってきて式や同窓会に出たかったらしい。
でも、中学の校長と本江先生が、「サプライズをして欲しい」と仕事を依頼したようだ。
…本人からしたら、傍迷惑な話だよな。

その後、俺達はあの時の様に話したり、少しふざけてみたり。
とにかく懐かしかった。
クラスメートの余興に笑ったり、しーんとなってみたり…。
そしてステージに上げられると、歩風はリクエストを聞いてそれを歌って、俺らは後ろで適当なバックダンサー。
そういうのも楽しかった。

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