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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第5章 俺と、大きくなった君の存在。

「剛典と約束して、それに向かって頑張ってた。 辛い時とか、傍で支えてくれていたのは柚ちゃんだったけど…。 でも、1人で居る時とか、柚ちゃんには申し訳ないけど、いつでもすぐに思い出すのは必ず剛典だった」
…3年間傍に居た柚より、俺…?

「夢を叶えて、剛典に会う。 ずっと傍に居てくれた大好きな剛典に、大人になってから笑顔で会えるように。 …それだけが、ずっと私の目標だった」
…俺、そんなに歩風に想って貰える程、大した事はしてあげられてないのに…。

「…私さ、卒業式の日、剛典に「親友で居よう?」って言ったよね。 …でも、その言葉は本心なんかじゃないよ」
「…えっ?」
次第に目が潤み始める彼女を見ていれば、その言葉に嘘が無い事位すぐに分かるけど…。 本心じゃないなら、何で…?

「本当は、付き合いたかった。 …剛典は私の初恋だった。 …もしも高校一緒に行けてたら、多分OKしてた。」
えっ、どういう事…!?

「でも、離れちゃうから…! 遠距離でも剛典は付き合ってくれるかもしれないけど、剛典モテるから…。 もし誰かが剛典を好きになったら、平凡で離れてる私になんて勝ち目が無いから。 だから、「親友で居よう?」って言ったの」

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