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プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

え…?

聞き間違い…じゃないよ、な!?

礼を言う、ってだけで、お礼の言葉は言わないけど…

でも!!

ディオから、そんな言葉をかけられたのは初めてだ!!

「そっ…そうか!?感謝しろよ!?」

胸を張って笑みを浮かべると、ディオは鼻で笑い

「だから子供だと言うんだ」

…くそっ!!

ディオは笑みを浮かべて俺の横に立ち、薔薇を眺めている。

月に照らされているせいか、いつもよりも高貴さが増して見える。

本当に、生まれついての王子さまだよな。

不意に、ジュークの声が脳裏をよぎった。

『人々から祝福されて誕生した、ディオチェスター様とは違うんです』

安心しろよ。

俺だって、ディオと比べたら全然だぜ!?

苦笑いを浮かべると、ディオが俺を見ていた。

「何だよ」

「何を考えている?」

頭の中を見透かされたようで、どぎまぎしてしまうと

「ジュークか?」

言い当てられて、目を見開いた。

何で分かるんだよ!!

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