テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

驚きもしないディオの様子に眉をしかめると

「だがあいつなら不利益になることを吹聴したりしない」

追い討ちをかけられるような言葉に、何も言えなくなる。

本当にジュークを信頼してるんだな。

そう言えば、前にも言ってたな。

あいつはこの城で一番信頼してる奴だって。

でもその後の、皮肉な事にな、って言葉が気になってたんだ。

あの時は知らなかったけど…あれは、兄弟だから…って事なのか?

でも…何で『皮肉』なんだ?

黙り込んで考えに耽っていると、ディオが首を傾げた。

「どうした?」

「いや、別に?」

首を振って、自分の考えを追い払った。

こいつらにはこいつらなりの関係性があるんだろう。

それで上手くいってるのなら、深く関わるべきじゃないのかもしれない。

ひとつ息を吐いて、ディオを見る。

「姉上の足が治ったら、宣誓をやり直せよ」

俺の提案に、ディオは怪訝な表情を浮かべた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ