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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

その日の夕方。

ジュークが王子の部屋を訪れると、主人は書類にサインを入れている所だった。

「ディオチェスター様、お茶を淹れましょうか」

「そうだな。アールグレイでいい」

「畏まりました」

一旦厨房へ戻り、紅茶を準備した。

ディオチェスター王子が紅茶を頼むときは、仕事が順調な時だ。

このまま一日過ぎていくように。

願いを込めて、紅茶を淹れる。

ディオチェスター王子の部屋にお持ちすると、王子がちらりとジュークを見た。

「どうした?顔が緩んでいるぞ」

「そうですか?」

笑いを浮かべて、ディオチェスター王子に紅茶を振る舞った。

他人の微かな変化を見逃さない主人。

そして、決して自分の本心を面に出さない人だ。

同じ王子でも、国が違えばこうも違うものなのか。

昼間、ティアナ様と一緒に、歴史を勉強していたテリオス様を思い出す。

あどけない、幼さを残したままの丸い瞳が、事あるごとにくるくると動く様を。

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