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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

王家との関係者をなかなか覚えられなくて、何度もファイルを見返し、困った顔をして。

顔写真と名前が一致したときの喜びようと言ったら…。

子供のように無邪気にはしゃがれて、最後はティアナ様に叱られていた。

二人が並ばれると、双子なだけあるのか、面差しがよく似ている。

でも、性格は真逆だ。

やはりそこは、男女の違いだろうか。

ティアナ様は、ディオチェスター王子と少し似た、近寄りがたい雰囲気をかもし出している。

その点は、この方とお似合いなのかもしれない。

もしも。

ディオチェスター王子が、テリオス様のように、思っていることがすぐに分かるような王子だったら…。

「プリンセスレッスン、頑張っておいでですよ?」

「そうか」

「ティアナ様だけでなく、テリオス様もそれは一生懸命で」

「そうか…」

視線は書類の文章を追っている。

無理か。この方はこういう方だ。

「お二方が頑張っていらっしゃるのですから、あなた様も覚悟を決めて下さいね」

表面上はにこやかに。

言葉の裏に棘を含めた声音に、ディオチェスター王子は息を吐いた。

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