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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

次の日。

「姉上、お早う!…って!!うわっ!!」

姉上の部屋の扉を開けた瞬間、薔薇の薫りが、まるで襲いかかるかの様に溢れ出した。

「何だぁ!?」

「あ、テリオス。お早う」

「テリオス様、お早うございます」

姉上と、姉上の侍女のシルフィが挨拶を返してくれた。

「すっげえ量の薔薇だな」

見れば、姉上の部屋の至るところに、薔薇の花が生けてある。

「はい。ディオチェスター王子が、ティアナ様の部屋には薔薇の花を絶やさないようにと」

シルフィが微笑みながら答えた。

「へぇ…。ディオチェスター王子が」

「テリオス。あなた何か言ったの?」

勘のいい姉上に、俺は内心舌を巻いた。

「いや。別に?」

「そんな訳ないでしょ!?ローズガーデンで何の話をしたの?」

「…城の中で一番気に入ってる場所だって」

観念して白状すると、姉上は小さくため息をついた。

「嘘はついてないぞ。姉上だって、あの場所は気に入ってるだろ?」

慌てた俺に、姉上は淋しそうな笑みを浮かべた。

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