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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

この日のプリンセスレッスンは、社交ダンスだった。

ダンスでは俺のやることはないから、椅子に座って見学状態。

相変わらずジュークが指導役で、姉上と踊っている。

…こいつ、執事なのに様になってるな…。

ちゃんと姉上をリードして、ステップを踏みながら背筋や目線の位置なんかを的確に教える。

面白くはない。

だけど、指導役としては適任だと納得できた。

休憩になり、ジュークが淹れた紅茶を飲みながら話をする。

「ジュークはさ、執事になる前は何してたの?」

「執事になるための専門学校に通っておりました」

「で、卒業してからずっとここに?」

「はい」

へぇ。…って事は、学校でも優等生だったんだろうな。

「何故ですか?」

「…何でも出来る感じだからさ」

俺の言葉に、驚いたような顔をして…すぐににっこり笑った。

「テリオス様、ありがとうございます」

いや、褒めた訳じゃないんだよ。

…その笑みすら完璧すぎて、作り物っぽいんだけどな…。

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