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プリンス×プリンセス

第4章 プリンセスレッスン

「所でティアナ様。先程のステップですが」

お茶を飲みながら、姉上に説明をするんだけど…姉上の顔が硬い。

あ、分かってないときの顔だ。

「じゃあさ、姉上、見ててくれよ」

「テリオス!?」

「ずっと見てたから、覚えた。ジューク、いいか?」

ジュークが目を細くして笑った。

「はい、お願いします」

立ち上がって、テーブルから少しだけ距離を取ると、音響操作を終えたジュークと向き合った。

「テリオス様が女性役で?」

「…の方がやり易いだろ」

15cm以上そっちが高いんだから。

「では、失礼します」

ジュークが掲げた手のひらに手を伸ばすと、ジュークが俺の背中に手を回して

「…え?」

俺を見て、意外そうな顔をした。

「何だ?」

「いえ。テリオス様とティアナ様は双子だからですかね?」

「は?」

「背格好も似ている…手のリーチも、肩甲骨の位置もほぼ一緒です」

俺は内心、こいつの洞察力の鋭さに舌を巻いた。

たった数秒でそこまで見抜いたのかよ!?

顔をしかめると、ジュークは薄く笑った。

「では、お願いします」

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