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ツインテールの君

第3章 Decoration cake princess



(お勉強ひと休み(´o`;。誰か○○駅に今いないー?)


 いるいる。地元だ。

 國佳は心の中で返事を寄越す。


(カフェの窓から見えるイルミネーションの駅前、カップルばっかり。すみれこんなとこで何やってんだろ)


 あらあら、すみれちゃんもカップルしたいの?お姉さんが行ってあげようかぁ?


 國佳は、立て続けに心の中で、返事を寄越す。


(でもすみれはクリスマスは予定があります。『Fairieta Milk』のお姉様達と温泉♡彼氏の相手をしてあげる暇はない(。・ω・。)ゞ)


 そうそう、博愛主義も大事だけれど、すみれちゃんならわざわざ男なんか相手にしてやらなくたって、お姉さんがいつでも──…。


 國佳は、引き続き心の中で返事を寄越す。


(カフェのエアコン切れたよ。何で?寒い( ;∀;))

(お風呂入りたい。生クリームのお風呂。生クリームのお風呂に入って練乳を吸いたい(*´∀`)♪)

(誰か豪華で大きなお風呂ですみれを生クリームだらけにしてくれないかなぁ。イケメンお姉さん希望)


「──……」

「…………」


 國佳は、もはや作業に戻れる状態ではなくなっていた。手許に感じるせりはの視線がこそばゆい。


「せりは……」

「すみれちゃんって、透視の能力があるの?」

「偶然でしょ。冷静になって振り返ってみると、すみれちゃん、練乳と生クリームがすごく好きだったんだわ」


 國佳は携帯電話を待ち受け画面に戻した。



 これからコンビニエンスストアに走って、練乳を調達する必要がある。そして大家に電話をして、このマンションの住民専用の大浴場を貸しきりにしてもらえるよう、交渉するのだ。すみれ本人にメールも送らねばならないし、Twitterを眺めて遊んでいる暇はない。


 國佳はコートを引っ張り出して、赤いリボンがたくさん散りばめてあるファーのポシェットを肩にかけた。

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