不透明な男
第7章 違和感
智「だから、だめだって」
俺がキスをしたもんだから、潤もその気になってキスして来ようとした。
のを、俺が止めた。
潤「え…ひどくない?」
智「どうせ前もそうだったんだろ?」
潤「そうだよ…」
なんだよやっぱ隙なんてねえじゃんと潤が唇を尖らす。
智「あははっ」
潤「本当いっつもそれだよ」
智「おれ、そんなひどい奴だったの(笑)?」
潤「本当たまんねえよ」
拗ねる潤を横目に辺りを見回す。
智「んで、ここどこ?」
潤「俺んち…」
智「なんで?」
潤「はぁ~」
きょとんとする俺は溜め息を吐かれた。
潤「『おれかえる』とか言ってふらふら出てくから心配になって着いてったんだよ」
智「そんでなんで連れ込まれてるの?」
潤「したらアンタ電柱にぶつかって」
智「あ、そういえばおでこ痛い」
潤「頭ペコペコ下げて電柱に謝ってたから」
智「へ」
潤「あんなの放っとけねえし、智の帰る家が分かんねえからここに連れてきたんだよ!」
親切で連れてきたのになんだよそれと潤がぷりぷりする。
智「あ~…、ご、ごめんね?」
潤「んじゃキス」
智「もうしたからだめ」
俺は唇を付き出す潤の顔面に手を被せた。
潤「くっそ」
智「あの二人は?」
潤「ニノが潰れて相葉さんが介抱してた」
智「あ~」
ひと通り状況を把握した俺は酔いも覚めてきたので帰る事にした。
潤「もう遅いから泊まってけば?」
智「喰われそうだからやだ」
本当しない、大丈夫だからと食い下がる潤を宥めてタクシーに乗り込む。
俺だって分かってる。
たぶん潤は俺を襲わない。
だってアイツ、俺の事大好きだから。
嫌われたくないからそこまではやらない。
いつも俺が嫌がらないギリギリの所まで甘えてくるんだ。
なんでだろうな?
そういうの、わかるんだ