
不透明な男
第7章 違和感
智「ん…は…ぁ…、潤…もう、だめ」
俺は潤にストップをかける。
潤「そこも…変わってないんだ(笑)」
ちぇっと潤が舌打ちした。
潤「前はさ…隙のカケラも無かったのにさ。」
智「うん?」
潤「なんか今は、隙だらけじゃん? だからイケるかなって思ったのに…」
昼間、潤にされた事を思い出した。
潤はその時、何か違和感を感じたらしい。
前の俺なら、間違いなく潤をぶん投げていたという。
そんな奴が、大人しく首を絞められて潤のいいようにされていた。
違和感は感じたが、感じ取る舌の感触は、間違いなく俺のものだったと言う。
潤「どうしたのこの傷…」
智「あ…」
俺が寝てる間に乱されたのであろう胸元からは、掻きむしった痕が覗いていた。
潤が傷に指を這わせる。
智「や、なんか、痒くて」
潤「だからって駄目じゃんこんなの…」
智「ふふ…」
潤「え、何?」
智「なんかお前、可愛いな」
潤「!」
潤は真っ赤になった。
昼間は氷のような目をしていた奴なのに、今は俺にすり寄って傷の心配をしている。
優しく指を這わせて、まじないでもかけているかの様に俺の胸を撫でる。
そんな潤を、可愛いところもあるんだなと、微笑ましく思ってしまった。
智「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ありがと…」
俺は、潤にキスをした。
