
不透明な男
第8章 序章
俺の後ろで、松兄ぃがバサッとシャツを脱ぐ音がする。
そうすると、俺の身体を撫で回しながら、俺の服も器用に剥ぎ取って行く。
背中に直に松兄ぃの体温を感じる。
それが、とても心地よかった。
智「ん、んっ…は、はぁ…っ」
兄「気持ち良さそうな顔してる…」
智「あ、あぁ…っ」
兄「もっと良く見せて…」
ガバッと俺を抱き起こす。
ソファーに腰掛けた松兄ぃの体に、背を預ける様に座る形になった。
俺の顎を掴むとクイッと持ち上げ、俺のうっとりとした顔を見つめてくる。
智「あ…、はぁ…、あぁ…」
兄「智…、綺麗だ…」
どちらからともなく互いの唇に吸い込まれる。
智「ん…、ふ…ぁ」
俺の中を出入りする緩やかな刺激と、俺の口内を蠢く刺激が気持ち良くて、俺の頭は蕩けそうだった。
俺の、上と下から卑猥な音が聞こえる。
こんなにいやらしい音を立てて、俺は快楽に身を任せているんだと、そう思うと恥ずかしさが込み上げてくる。
智「ん、あ…ぁ…」
とろんとした表情の中に恥ずかしさが滲んだ。
唇を離すと、俺は顔を背ける。
兄「頑固だな…、いいかげん素直になれ…っ」
智「ん、あっ、あ、んぅ…っ」
途端激しい刺激に襲われた。
智「あ、あっ、あっ、く…」
思わず松兄ぃの太股を掴んだ。
俺の顎は仰け反り、強い快楽が駆け巡る。
智「あっ、は、はぁっ、ん、んぅ…っ」
激しく腰を打ち付けられる。
俺はガクガクと揺さぶられる。
追い討ちをかけるように、俺の身体を這い回す熱い手が、胸の突起を押し潰す。
智「あぁっ、ま、松に…っ」
兄「ふふ、ここが弱い事も知ってるぞ…」
智「あ、あっ、く、う…」
必死で快楽に耐える俺とは対照的に、松兄ぃは余裕の表情で笑みを浮かべる。
智「あ、あぁ…っ」
涙目で快楽を訴える俺を見ると、松兄ぃはニヤッと笑った。
