テキストサイズ

不透明な男

第8章 序章


智「…っ、な、なに…」

兄「暖めてやるから待て…」


そのトロトロの液を俺の前にも這わせる。


智「…っく、はぁっ」


ぬるついた手で俺の前を刺激する。
後ろでは、俺の身体を跳ねさそうと再び差し込まれた指が探りを入れる。


智「あ、あっ、そ、それだめだ…っ…てっ」


同時の刺激に弱い俺を松兄ぃは攻め立てる。


兄「何処が駄目なんだ…? 嬉しそうにヒクついてるが…」

智「ん、あっ、あ、あっ、く…っ」


ソファーにしがみついた手が震える。
膝もガクガクと震えて今にも崩れ落ちそうだ。
俺は再び松兄ぃを見やる。


智「あ、あっ、ま、松に…、もう…」

兄「…やっと素直になったか」


そう言うと、俺の後ろに熱いものが当たった。


智「…っ」


それが何を指すのかが分かった俺の身体は、反射的にビクッと震えた。


兄「ふふ…、そんなに待ち遠しかったのか?」

智「ち、ちが…」

兄「まだ、素直になりきれないか…」


仕方ないなと笑いながら俺の腰を支えると、ぐぐっとその熱を押し込んできた。


智「んぅ…っ、く…」


ガクガクと震え、固くなっていた身体が瞬時に和らぐ。
全身から力が抜けるような快楽に襲われる。


智「ん…、はぁ…っ」

兄「そうだ、その顔だ…、その安心しきった様な顔…」

智「あ…、あぁ…、っ」

兄「普段から、そういう顔をさせてやりたいんだよ…」


松兄ぃは、優しい腰つきで俺に快楽を与えながら、ふわりと俺の頭を撫でる。

俺の後頭部にキスをし、耳に口づける。
首に舌を這わせ、肩を撫でる。

そのまま俺を抱き締め、ゆるゆると動く。


智「あぁ…、松兄…ぃ…」



その、優しい快楽は、安心に変わるんだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ