
不透明な男
第11章 背徳
智「相葉ちゃーーーん」
雅「あっ、大ちゃんいらっしゃい♪」
むぎゅっ
雅「え、えっ、ど、どうしたのっ」
智「んふ、相葉ちゃんに癒して貰おうと思って」
挨拶もせずにいきなり抱き付いた俺を見下ろし、相葉ちゃんは驚いていた。
智「もっとぎゅ~ってして」
雅「…甘えんぼだなぁ」
どうしたの、何かあったの?と言いながらも相葉ちゃんは俺をぎゅうっと抱き締めてくれる。
智「んふふ、気持ちいい…♪」
雅「そう?…大ちゃんがそんな顔してくれるなら、俺は何時だって抱き締めてあげるよ」
智「ふふ、カッコいい」
でしょ?なんて照れながら相葉ちゃんは満面の笑みを俺に見せてくれる。
なんだか無性に相葉ちゃんに会いたくなったんだ。
その、太陽の様な屈託の無い笑顔を見たくて、家に帰らずに真っ直ぐ相葉ちゃんの店に来た。
やっぱり来て正解だ。
相葉ちゃんの笑顔を浴びるだけで、俺はこんなに穏やかな気持ちになる。
智「いつもありがとね?相葉ちゃん」
雅「ふふ、どうしたの大ちゃん。何かヘンだよ?」
そう?なんて笑いながらも、俺は相葉ちゃんの腰に回した手を未だ離していなかった。
潤「こらこらこらこら」
和「何やってんですか」
急に現れた二人に引っ張がされた。
智「えーーーー。お前らいたの?」
潤「なんだよ。酷い言われようだな」
和「言っとくけど俺ら常連だから。貴方なんてたまにしか来ないんだから常連でもなんでもありませんからね」
だよなぁ、誰に会いたくて来てると思ってんだよと潤は悲しそうな顔を見せた。
智「ふふ、冗談だよ。皆の顔見れて嬉しいに決まってるでしょ」
潤「お、おう…。ふふっ」
和「全くもう。アナタって人はこれだから…」
どうすんだよ、潤くんがタコみたいになっちゃったじゃんとニノが笑う。
雅「はいはい、取り敢えず座ろ?」
相葉ちゃんが手をパンパンと叩くと、俺たちは大人しくカウンターに並んで座った。
