不透明な男
第2章 正体不明の男
熱を吐き出した俺は肩で荒く呼吸をしながら呆然としていた。
な…
なにが…どうなってんだ…
男は俺にそっとくちづけた。
呆然としたままの俺は、目だけ動かすと男を見る。
男は俺と目が合うと、目を細めて額に、頬に、唇を落とす。
男「お前は本当に可愛いな…。」
智「は…?」
男はクスッと笑うと俺から体を離す。
男「さて…と、キレイにしなきゃな。」
俺の腹は自分で吐き出したものでベタベタだった。
げ…
どうすんだよこれ…
男はティッシュで俺の腹の汚れを拭い取ると、俺の腕をグイッと引っ張って身体を起こさせる。
男「俺が洗ってやるよ。」
は…?
男「…シャワーだよ。」
智「あるの…?」
男「超特別室だぞ。ほら、洗ってやるから来い。」
智「シャワーくらい、自分で出来る。」
男「無理だよ。洗い方わかんないだろ?」
智「は?」
俺は無理矢理シャワールームに連れて行かれた。
智「ちょ!なにすんだよ!」
男「じっとしてろって。」
俺は狭いシャワールームの壁に手を付かされ、お尻を男に向けて付き出すような姿勢を強いられる。
すぐ終わるからと、俺を宥めながら男がシャワーを俺に当てる。
な…
なんなんだこの体勢…
屈辱すぎる…
男は俺の後ろにツプッと指を入れ、男が吐き出したものを掻き出す。
キレイに掻き出そうと俺の中で指をぐるぐる回す。
智「もっ、もういいっ」
男「だめ、もうちょっと。」
さっき身体に刻まれたばかりのヘンな刺激が思い出されて恥ずかしくなる。
洗ってるだけなのにヘンな声が出そうで、息を止めて耐える。
コイツ…
わざとやってないか?
いや、絶対そうだ。
おれで遊んでやがる…
男「はい、おしまい。」
後ろを洗ってもらうと、俺は髪と体を手早く洗い、サッサとシャワールームを出た。