不透明な男
第2章 正体不明の男
男が出ていった病室で俺は独り考える。
や…
考えるっつったって、
ヒントが何もねぇ…
というかそもそも何を考えたら何に辿り着くのかも分からない。
とりあえず自分を思い出そうとしてみる。
…わかんね
なんもでてこねぇ
諦めてあの男の事を考える。
とりあえずあの男は俺の事が好き。それだけは、分かった。
俺の事を正体不明だと言っていたが、あの男だって今の俺にとっちゃ正体不明だ。
一体どこのどいつなんだ…
てか、おれこそどこのどいつだよ…
俺は病室のドアの前に変な気配を感じながら、いつの間にか眠りに付いていた。