不透明な男
第4章 探す男
だだっ広い部屋に俺は独りぼっち。
途端に不安が襲う。
しーん…
静寂ってこういう事言うんだろな…
なんかおれ、寂しい
寂しさに呑み込まれそうで居ても立ってもいられなくなった俺は部屋を飛び出した。
あんな広い部屋に居るから寂しくなるんだと俺は外に逃げ出した。
宛もなくぷらぷらと外をさ迷う。
何処行きゃいいんだ…
とにかく、なんか、思い出せるところ…
ってどこだよ
情けない。
俺には行く所なんて無かった。
という訳で、ふらふらしていたらいつの間にか辺りは暗くなっていた。
…こんな調子で大丈夫かな
思い出せる気がしない…
と、その時
○「大野さん!」
誰かに呼ばれた。