不透明な男
第5章 思い出せない男
智「ああ、そう言えばさ…」
俺はここに来る前に見た男の話をした。
智「知ってる人なのかなあ?」
和「名前呼ばれたんでしょ?」
智「たぶん…コッチ見てたし」
雅「どんな感じの奴なの?」
そいつは遠目からでも分かる位にハッキリした目鼻立ちだった。
雅「そんな顔の濃い奴、俺の周りには居ないなあ。」
和「アイツかな…」
雅「思い当たる奴いるの?」
和「んー?うん…」
でも違うかも、いやでも、あんな濃い奴他には居ないしきっとそうだ、とニノはブツブツと考え込んでいた。
雅「で?誰なの?」
和「や、前に見かけた事があるんだよね。大野さんとそいつが一緒に居るとこ。」
雅「えっ、それいつ頃?」
和「んーと、半年前くらいかな?」
そいつに会えば大ちゃんの記憶が少し戻るかも、と言う相葉ちゃんにニノが言う。
和「俺アイツ嫌い」
雅「なんで?見かけただけでしょ?」
和「なんかさあ、すっごい馴れ馴れしいんだよね」
雅「へ?大ちゃんに対してって事?」
和「そう。もうべったべたしてくんの!」
なんだよ只の妬きもちかよと相葉ちゃんにツッコまれてニノは黙り込んだ。
雅「はいはいごめんって、機嫌治してね?」
相葉ちゃんが笑顔でニノの頭を撫でた。