不透明な男
第5章 思い出せない男
雅「大変だったねえ。本当、無事で良かったよ。」
和「本当だよも~なんなんだよ、あのおっさん」
智「だから言ったじゃんか。襲われるぞって」
いや、あれは俺がしくじっただけなんだ、普段ならまず無いとニノは首を振る。
雅「や、でも大ちゃんが居てくれて良かったよ~」
和「ほんとマジで凄かったんだから!」
何なのアレ、あんなの見た事無いよと、ニノが興奮気味に話す。
和「や、運動神経いいのは知ってたけどさあ…」
雅「そんな凄かったの?」
和「あんなの超人だよ、人間じゃないよ!」
俺は考えていた。
なんであんなに動けたんだろう?男を吹っ飛ばしたのは本当に俺なのか?と。
智「ほんとにおれだった(笑)?」
和「アナタじゃなきゃ何なのよ!」
雅「吹っ飛ばしたの、覚えてないの?」
智「んー…よくわかんない(笑)」
和「なんなのその記憶喪失、現在進行形なの?」
智「んなわけないでしょ(笑)」
和「でも…」
雅「ん?」
和「あんな顔の大野さん、初めて見たよ」
智「え?」
和「目が据わってるって言うか、なんか、ちょっと怖かった」
雅「え…この大ちゃんが…?」
ん、でも、ありがとね。とニノはニコッと微笑んで頭を下げた。