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恋空予報

第12章 再会

二宮side




母さんや父さんは
まあ来ないわけで。



一人でボロボロ泣いてたら
そのの友達からハンカチもらって。



自分で持ってきたハンカチは
結局使わなかった。



「…っ」



結婚式ってこんなにいいもんなんだなって
実感したんだ。



妹だからか、余計に
泣けてくるんだ。



そのだけは幸せになって欲しい。


俺はどうなったっていいから。




「…あー」



ほんとだめだ


こっそり会場を抜けて
外に出てきた。



空気を吸いたかった。



ああいう人がいるところは
何年経っても慣れないもんだ。



…はぁ。



相葉は楽しそうだった。


…俺は、結婚式で泣いてしかないのに、
相葉はいろんな人から話し掛けられて
笑顔で対応してた。



「…帰ろうかな…」



そのには悪いけど、
この空気に耐えられない。



俺が荷物を取りに戻ったら
偶然、トイレ帰りの相葉と会った。



「あ、ニノちゃ――「ごめん、帰るわ」



相葉の横を通り抜けて
控室に戻った。



…もう相葉と会うことは
ないかもしれない。



そう思うと、胸がきゅっと
締め付けられた。



「ニノちゃん、待ってよ…」

「なに?」



かわいくないぶっきらぼうな
返事しか出てこない。



…こんな俺、嫌いだ。



「せっかく会えたんだよ?
…ねぇ、ニノちゃん…」

「…来ないで。」



今相葉の優しさに甘えたら
離れるのが余計辛いから。



…だめなんだ。


俺から離れないと。



「…ニノちゃん!
俺、このままなんて嫌!」



背中に相葉の温もりが
伝わる。


…あぁ、あったけぇな。


やっぱり相葉は優しくて
温かくて。



気付けば、俺も
相葉に抱き付いてた。



「…ニノちゃん、好きだよ…
迎えに来てくれたんでしょ?」

「…ん」



そうだ。



俺は相葉を迎えに来たんだ。



現実から目を逸らしちゃ
いけないんだ。


もう失敗したくない。

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