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覇者の剣

第5章 鬼退治

悟は薫と共にあの男がいた祠へ向かっていた。


一体、今何が起きているのか。
あの男は何者なのか。
吉乃はなぜ薫を襲ったのか。
鬼、とは一体なんなのか…。


悟は思った。
もしかしたら薫に聞けば、全ての答えを知っているのではないかと――。


「おいっ、お前!」


その時、後方から基の怒鳴り声が飛んできた。


「お前、何してんだよ!!」


全速力で走ってきた基は、薫の前に立ちはだかった。


「何って…彼に案内してもらってるだけよ」

「吉乃から聞いたぞ、あんた…吉乃の腹を殴ったらしいじゃねぇか!」

「あれは正当防衛よ」

「ふざけんな! 悟まで連れ出して一体何企んでんだ!」


はあ、と薫は深いため息を吐いた。


「あなたがいると、話がややこしくなる」

「はあ? 俺がいたら困ることでも今からすんのかよ!」

「もっ…基! ちょっと落ち着いて!」


悟が慌てて止めに入った。


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