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覇者の剣

第5章 鬼退治

「落ち着いてられっかよ! あんた、さっきオレに言ったよな…自分を覚えてないかって。もしかしたらあんたも、天魔一族の仲間ってやつかよ?」

「!」


基の言葉に薫は目を見開いた。


「天魔一族…?」


隣で悟が首を傾げる。


「…もしかして武蔵に会ったの?」

「武蔵? ああ、関西弁の男か」

「そう…。それなら今がどういう状況か、少しはわかるでしょ!」


そう薫が言い放った直後、辺りに禍々しい空気が漂い始めた。


「なっ…」


全身に悪寒が走る。
そして突き刺すような殺気と獣のような呻き声が、基たちの体を震え上がらせた。


「なんなんだよ、これ…!」


基はポケットに偲ばせておいたサバイバルナイフを握りしめる。
まさか本当にこれを使う時がくるとは…。


「基、あれ見て!」


悟が盛り上がった地面を指差した。
そこからは今まさに、この世のものではない何かが這い上がろうとしていた。


「なんだよ、あれ…」


基はゴクリと息を飲み込んだ。


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