霧島さん
第2章 お久しぶりです、霧島さん
答えなんてわかりきっているくせに、なんて意地の悪い男だろう。
「志月さんので…イきたい…」
そんな男の誘惑にまんまとハマってしまう私も、きっともう救いようがないのだろう。
「…本当に、ベッドの上じゃ全然違う人みたいですね…」
ぐち、と先を入り口に擦り付けながら、余裕のない顔でそう言った志月蛍は「挿れますよ、」と呟き、
「ーーーーーッ」
私の中にゆっくりと侵入し、重なった。
「志月さんの…はい…った…ッ」
志月さんの熱いソレが私の中でドクドクと脈打ち、押し広げるように奥へと進む。
あまりに大きいソレは、私の呼吸を苦しくさせた。
「ッきつ…い…。もってかれそう…、」
「あ…ッ先が、トンって…ッ」
「そうです、ね…。奥まで届いた…」
苦しさで涙を流す私の目元に志月蛍が優しくキスを落とす。
あまりに彼が優しく触れるから、再び涙が溢れた。
ただ欲のまま私を求めてきたはずなのに、どうしてこの男はこんなに優しくするのだろう。
あんなに冷たく突っぱねても、窓を破ってまで助けてくれたのは、どうしてなのだろう。
ーーーあんなに人と向き合うのが怖かったのに、どうして私はこの人なら怖くないのだろう。
「…霧島さん、もっと君のことが知りたい」
「っ」
「好きです、霧島さん」
ああ、そうか。
この男は、
とんでもない
大嘘つきだからだ。