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イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第4章 皆との距離



(……。)


テリザは爪で陶器のカップの縁をはじくと、ピンっと甲高い音がした。


(っ…そういえば…。)


『ラッド様が帰られたら、俺から言っておこう。』


(ハルさん、『俺』って言ってた…。)


『君から訪ねて来るなんて、初めてだな。』


軽はずみに訪ねてしまったのがいけなかった。






―――距離が近づいていくのが怖い。




あの人のことを忘れられていない、心の奥底に沈めて自分で背負うと決めたのに、ラッドの前で胸が騒ぐ自分にも嫌悪感が湧く。



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