最後の恋
第2章 たべもの
彼はそんなに強くないくせに、お酒を注がれると断れないタイプだった。
その日の飲み会も、注がれただけ飲んでしまい、案の定ふらふらになった。
皆が終電を気にし出し、お開きになったとき、少し郊外にある彼の駅へは、既に電車がないことに私は気づいていた。
うち、来ます?とメールをすると、彼はすぐ気づいて、目でこちらに笑いかけた。
そして、皆には漫喫に泊まると言いながら、駅で皆を見送り、あとから私の最寄り駅にやって来た。
でも冒頭の通り彼はふらふらで、家に来ると私を巻き込みながらベッドに倒れ込んで、そのまま朝まで起きなかった。
私も大概酔っていたので、そのまま眠りに任せたが、翌朝、一晩緩むことなかった彼の腕からそっと抜け出してシャワーを浴びた。
幸いにも二日酔いはなく、空腹だったので、冷蔵庫の残り物で雑炊を作る。
大根とニンジンとキャベツとしめじ。あと卵。
作っていると彼が目を覚ました。頭も腕も痛そうだった。当然だ。
食べます?と聞くと、かなり辛そうにしながらうなずいた。
無理しないで、と少しだけ椀によそって渡す。
彼はしばらく椀に目を落として、それからゆっくり、一口ずつ口に運ぶ。
ありがとう、と言って空になった椀を渡し、もう少し休んでいい?と横になった。
ごめんね、今動くと戻しそう、と。
戻した方が楽になるかもしれませんよ、と言うと、
死んでも戻さない、といたずらっぽく笑った。
私は彼の髪をそっとなでて、
また作ってあげるから大丈夫ですよ、と囁いた。
彼は笑って、再び眠りに落ちた。
結局、また、の機会は来なかった。
最初で最後の手料理が、雑炊程度で今でも申し訳ない。
こんな機会はもうないと、わかっていたかは別にして、彼は頑張って吐き気に耐えてくれた。
そして私もやっぱり頑張ってほしくて、彼が寝てる間に、二日酔い用のエキスドリンクを買いに走ったのだった。
その日の飲み会も、注がれただけ飲んでしまい、案の定ふらふらになった。
皆が終電を気にし出し、お開きになったとき、少し郊外にある彼の駅へは、既に電車がないことに私は気づいていた。
うち、来ます?とメールをすると、彼はすぐ気づいて、目でこちらに笑いかけた。
そして、皆には漫喫に泊まると言いながら、駅で皆を見送り、あとから私の最寄り駅にやって来た。
でも冒頭の通り彼はふらふらで、家に来ると私を巻き込みながらベッドに倒れ込んで、そのまま朝まで起きなかった。
私も大概酔っていたので、そのまま眠りに任せたが、翌朝、一晩緩むことなかった彼の腕からそっと抜け出してシャワーを浴びた。
幸いにも二日酔いはなく、空腹だったので、冷蔵庫の残り物で雑炊を作る。
大根とニンジンとキャベツとしめじ。あと卵。
作っていると彼が目を覚ました。頭も腕も痛そうだった。当然だ。
食べます?と聞くと、かなり辛そうにしながらうなずいた。
無理しないで、と少しだけ椀によそって渡す。
彼はしばらく椀に目を落として、それからゆっくり、一口ずつ口に運ぶ。
ありがとう、と言って空になった椀を渡し、もう少し休んでいい?と横になった。
ごめんね、今動くと戻しそう、と。
戻した方が楽になるかもしれませんよ、と言うと、
死んでも戻さない、といたずらっぽく笑った。
私は彼の髪をそっとなでて、
また作ってあげるから大丈夫ですよ、と囁いた。
彼は笑って、再び眠りに落ちた。
結局、また、の機会は来なかった。
最初で最後の手料理が、雑炊程度で今でも申し訳ない。
こんな機会はもうないと、わかっていたかは別にして、彼は頑張って吐き気に耐えてくれた。
そして私もやっぱり頑張ってほしくて、彼が寝てる間に、二日酔い用のエキスドリンクを買いに走ったのだった。
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