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小さな恋のストーリー

第6章 夕暮れの都会で

「さ、行こう」


「うん」


私はヒールを履き直そうと床を見ると、ヒールがない。


「純一さん、ヒールは?」


「こっちの靴を履きなさい」


純一さんは買い物紙袋から、スニーカーを出して床に揃えた。


「え?この靴どうしたの?」


「買い物の時、美香がトイレに行ってる間に買ったんだ」


「純一さん…」


「もっと早く、履かせてやれば良かったのに、痛い思いをさせてすまなかったね…」


純一さんはまた私の足を撫でてくれた。


胸に熱いものが込み上げる。


「純一さん、ありがとう…嬉しい…」


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