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Face or Body

第57章 違和感…

ヒカル発見から
1週間がたった。

その間にヒカルにアキラは
寄り添い続けた…。

この5ヶ月におよぶ
拉致監禁され性的暴行を受け続けたせいか
ヒカルからは以前のような
まるで太陽のような明るさと
少しのお茶目さが
失われていたが
アキラはずっと寄り添い傍に居ることを
心に誓っていた。


―――――ヒカルの病室。

『アキラ…』
とベッドサイドのアキラにヒカルは
話しかけた。

本来の明るさを失い
言葉少なになっていたヒカルからの
呼び掛けに
アキラは
『うん。なに?』と
優しく答えた。

『私… 怖かったの… 毎日毎日レイプされたの… …隙をついて自殺したかったけど、身体の自由を奪われて…それも許されなかったよ……。』
切れ長の瞳から
ヒカルはポロポロと泣きながら
話を続けた

『妊娠しなかったことだけが救いだったけど…。こんな恐怖をもう………………
………… ……もう……味わいなくないよ!!  私…警察官辞めていいかな…?』
とヒカルは
泣きながら声を絞り出した…。

アキラは
ヒカルをギュっと抱き締めて
『ヒカルは十分に正義を貫いたよ…。もう十分…………。俺の奥さんでいてくれたら何もいらないよ。 ヒカル…お疲れさまでした。』
と包み込むような声で
ヒカルに囁いた。


―――………
アキラに包み込まれるように
ハグされながら
ヒカルは瞳を閉じた
くちもとに笑みをたたえて……。

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