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Face or Body

第57章 違和感…

『マキマチは、私が送り出した警察官のなかではイチバンの自信作なんです…。 …華奢な体躯ながら、誰よりも心身が強くて、事件の大小に関係なく、自分の中の正義で動く
…』
さらに
続けて
『今回、休暇中でありながら目の前で、か弱い老女が引ったくりにあったとき、弱者への暴力がマキマチの正義に火を付けたんだろうな… 別にひったくりの取り締まりなんて、マキマチの扱うべき事件じゃない…。
そして拉致され5ヶ月以上の暴行を受けた…。からだの自由を奪われて…………。』

サクラコは
村山が何を言わんとしているのかが
つかめない。
しかし
村山はおかまいなく続けた…。

『理不尽な暴力は、マキマチが今までかかわり大手柄をあげたときの共通項じゃないか?   ……サクラコさん、そうは思わないか?  ……どんなに傷付いてもたちあがって犯人を確保したじゃないか。 ……確かに5ヶ月の拉致監禁は想像を絶するが、
果たしてマキマチは、それて怖じ気づくだろうか? それが信じられないんだよ…。』

『あれは…あのマキマチはマキマチでは……
………………… ………… …………  
マキマチヒカルでは……………ない。
そう思えるんだよ。根拠は証拠はないが。』

その村山の言葉に
サクラコな胸のなかを
射抜かれた感覚に見回れた。

サクラコは
村山に
『ムラさん!!聞いてください!!』と
この数日
サクラコが感じていた
言いようのないヒカルへの違和感を
話始めた。

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