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Face or Body

第57章 違和感…

県警本部の玄関ロビーの椅子に座り
サクラコは村山に
ヒカルへが醸し出す
拉致以前のヒカルとの違和感を
包み隠さずに話した…。

―――
しかし
その違和感の具体的な例が
あるわけではなく…
ヒカルが拉致監禁暴行を機に
深刻な精神的損傷を負い
人格が変わったと理由付けたほうが
スムーズには説明できた…。

『やっぱり私たちの考えすぎですかね…』
サクラコがそう呟く…

『いや… そうではない気がする…』
と村山は答えてから
『ちょっとサクラコさん… …もう少しマキマチの話しませんか? …長年の習慣で推理を進めたら、身体がニコチンを欲しがってしまうんですよ』
とタバコを吸うポーズをとり
村山は県警本部の屋上にある
喫煙スペースに
サクラコを誘った……。

すでに2月の夕方は
まわりを暗闇に包んでいた。
村山はタバコに火を付けた…。

―――…………!!
――!!

えっ?
サクラコの頭のテッペンから爪先に
電気が走るような
衝撃が走る!!

何?
この暗闇に灯りが一筋差し込むような
閃きはなに?

今、私は村山さんがタバコに
日をつけるのを見て
大切な何かを思いつくような
感覚に陥って

村山を見つめた。

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