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Face or Body

第57章 違和感…

サクラコのただならぬ気配に

村山は
『サクラコさん?』と
声をかけた…………。

『村山さん…… 今…… タバコを右手の指でつまんでくわえましたよね? 村山さんは右利きでしょ?どうして、ライターを左手にもって火をつけたんですか? なんか今、私は大事なことを思い出しそうなんです!! なんで村山さんは左手でライターに火を付けたんですか?』
とサクラコは
村山に強い口調で問いただした。

実は村山は
幼少期に
港竜会の柳大作により
海に投げ込まれ殺害されそうになった過去を
持っていたが…
その歳に右手の親指に強く力を入れる
動作だけができなくなっていたのだ…。
そして
それを周囲に悟られるまいと
親指を強く曲げる動作が必要な動きは
すべて左手を使っていたのだ…。

もちろん
そんな詳細をサクラコに対して
村山は喋る気はない…

村山は
『子供の頃の怪我の影響でさ…。こういう動きで力を入れて右の親指を曲げられないのさ…』
と桜子に
右の親指を折り曲げるしぐさをした。

そして
『ノンキャリアでさ、ある一定まで登り詰めようとしたら、どんな弱味も見せられなくてさ………。 つい【コンプレックス】を隠しちゃうんだよね……』
とサクラコに村山は答えた。

その時!!
『村山さん!!ムラさん……。私…分かった…違和感の原因。わかっちゃった。』
とサクラコは
武者震いを感じながら答えた。

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