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『県警遺留品係から赴任しました。直村明里【ﾅｵﾑﾗ　ｱｶﾘ】です!!』
と
川島交番で着任の挨拶をしたｱｶﾘは

ショートカットだが
グラマラスな身体
長いまつげにパッチリした二重まぶた

唇のグロスが妖艶に光る……

警察官というよりは
ドレスを着て夜の町で働いたほうが
稼げるのではないかと
アキラと畠山が
内心そう思うほどの
艶っぽさがあった。

『直村さんはなぜ県警からこんな所轄の交番に時期外れの異動をしてきたんですか？』
と畠山は
ストレートに質問をした。

アカリは
『実は私…。娘と2人暮らしで、今までは母に面倒を見てもらってたんですが、母を亡くしまして…。それで、家から比較的近いこの川島交番に異動させてもらいました…。』
と答えた…。

母を亡くしたという
アカリの言葉に
アキラはついヒカルの母の
ミサトのことを思い出した…。

ふたたび
アキラの頭のなかに
ミサトの
『あれはヒカルじゃない…　ヒカルを助けてあげて!!』という
いまわの際の声が聞こえた気がした。

『あの………』

そんなアキラにアカリが声をかけた。

『あの……。川島町の案内をお願いしたいのですが…』
と―――――――――。