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Face or Body

第62章 接近…

アキラはアカリを
パトカーに乗せて
川島交番の管轄区域を
パトロールを兼ねて案内をした。

運転をしながらアキラは
『あの… お母さまお亡くなりになられたんですか?』
とアカリに尋ねた。

『ええ。一寸前に交通事故で……。』
とアカリは答える。

『そうですか。いや… 悲しい偶然ですが、私の妻のお母さんも同じ頃ですね… やはり交通事故でなくなってしまいまして。』
とアキラは思わずそう答えた。

ヒカルが拉致監禁されて
暴行の限りをつくされて発見されて以来
アキラは職場で
妻であるヒカルに関わる話題を
避けてきたのだか
交通事故という共通の事案を耳にして
ついそんなことを
喋ってしまいました。

『そうですか。さぞ奥さまは悲しまれたでしょうね…実の親の突然の死は答えますよね…  …私なんて、母の死をすぐには受け入れられませんでしたよ。』
とアカリは
パトカーの窓から外を眺めて
そう呟いた。

アキラは…
『ところがね…。意外と妻は冷静でね…。なんでかな…?』
と言葉がつい口をついてしまった。

アキラは
アカリにはなぜか
素直な気持ちで話せる
心地よさを感じていた。

最近のヒカルには
この心地よさを感じない…。
とも思ったアキラだった。

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