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Face or Body

第67章 海にかかる虹

『えっ?さて…どこかな?さっきまで父さんと一緒にいたんだけど…。』
とアキラ答えたが…

一瞬ののち
アキラとトウコは
同時に
『ア――――――――っ!!』と
顔をあわせて叫んだ。

――――ふふふっ…
――――あははっ!!

アキラとトウコは
そう顔を見合わせて笑い出したあと
見送りのみんなにの輪から抜け出して
島の一周する海岸線を走る
湾段道路に出た。

アキラとトウコが道路の向こうに
目を凝らす…。
小さな影が向こうから段々と近づいてきた。

『やっぱりね…うふっ!!』
トウコが苦笑いした。
『母さんはぶれないね…あははっ…』
アキラも苦笑いした。

小さなヒカルの影が大きくなり
笑顔をキラキラと輝かせて
二人を見つめながら自転車にのるヒカルが
近づいてきた。

『今日も島内は異常なしです。』
とヒカルはアキラに
おどけた敬礼をした…。

『なにもこんな日まで、定刻にパトロールしなくても…。 みんなだってそう思ってくれてるよ』
とアキラがあきれた口調で
ヒカルに囁く

トウコは父アキラが
母ヒカルの
ぶれない警察官としての高い意識を
リラックスさせるように
優しくたしなめる話し方が
大好きだった…。

―――しばらく父さんのこの声を聞けないの……
―――ちょっと寂しい…。

別れの時間が近づくトウコは
段々と寂しさが
胸のなかで高まった…。

『よし!!トウコ!!最後にひと勝負するか?』と
ヒカルはトウコに
竹刀を手渡した。

―――母さん
パトロールの帰りに家に立ち寄ったのか……。

アキラはヒカル見つめて
ヒカルなりのトウコへの不器用な愛情を
ほほえましい気持ちで察した。

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