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泣かぬ鼠が身を焦がす

第13章 正直の心より

杉田視点


藤本から取り戻して、部屋に戻って
2人ともベッドに転がりながら、ノラの本当の名前を聞いた


間宮純


ノラの本当の名前

きっと一生忘れないだろうこの名前を、俺は胸に刻み込んだ


そして次に、ずっと気になっていたノラの魘される原因を聞いた


純のこれまでの人生は、俺が思っていたよりもずっと過酷で
どうして俺が助けてやれなかったのかと悔やんだ


こんなに小さな身体に、どれだけ重いものを背負ったんだ


しがみついてきた純は小さく震えていて、俺はとにかく純が今まで生きていてくれてよかったと安堵した

強く抱き締めてやれば、安心したみたいに少し力が抜ける

それが可愛くて
正直、純の過去はどうでもよくなった

今俺の腕の中にいるなら、それでいい



自分の過去を全て話して散々泣いて
今度は俺のことを聞かせろと強請った純は、何気ない質問をした後に不安に思っていたのであろうことを少しだけ質問した


その質問内容は中学生の初恋のような初々しさで、あまりの可愛さについ本音を口にする


ふ、耳真っ赤
食べたら甘そうだ


これまで感じたこともない胸の暖かさに戸惑いはない

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