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泣かぬ鼠が身を焦がす

第15章 鼠の志


リビングに入ると、モノトーンで統一されたシックな部屋に迎えられる


かっこいー
なんつか、やっぱセンスがいいの……か……

いや、俺が住んでる部屋のセンスは如何なものかとは思うな

天蓋付きのベッドなんて普通使わねえよな


「家具類は拓真さんが選んだの?」
「そうだが。何かあったか?」
「いや、あの……普段いる部屋と随分センスが違うなーと思って」


ソファを勧められて俺が腰をかけると、拓真さんはキッチンに向かいながら


「あれは茜が選んだんだ」


と言った


茜さんがね……
へー

確かに女性らしいセンスかな
しかし天蓋はどうなんだ


「ほら、コーヒー」
「ありがとう」


キッチンでコーヒーを淹れていたらしい拓真さんがカップを片手に戻ってきた


「部屋いくつあんの?」
「覚えてないな」
「全部使ってないんだ」
「1人でこんなに使えるか」


じゃーなんでこんな広いとこにしたんだよ


とは思ったがそこまで興味もないしまた大した理由もないだろうから聞くのは諦めた


「部屋探検してきていい?」
「あぁ、行ってこい」
「やったね」


コーヒーを1口だけ飲んだだけで俺はさっさと立ち上がった

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