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泣かぬ鼠が身を焦がす

第21章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー)


にこやかに話す彼は常に笑顔を絶やさず、とても好青年に見えます

そして会議室へ案内されてからは、これから始まる新プロジェクトに関する現在の進捗状況やこれからの設計についてのお話を伺いました

途中何度か社長から私へのスケジュールの確認がありましたが、難なく打ち合わせは終了

帰りのエレベーターの中では、三村様から社長に世間話が始まりました


「最近会社もどんどん大きくなって、大変でしょう」
「そうですね。まぁ、喜ばしいことなので別段辛くもないですよ」
「優秀な秘書さんもいらっしゃるし?」
「!」


そこに、私の話題が突然出て少し驚いてしまいました


何とお答えになるんだろうか


「優秀な」などとは程遠い私を何と仰るのか、社長の様子を伺っていると


「そうですね。伊藤は本当によくやってくれますから」


なんと社長にこのようにお答え頂きました


何と光栄なことか……!
これからも精進しなければいけませんね

あぁ、大変
顔が緩んでしまう

まだお仕事中なのですから、しっかりしないと


にやける顔を抑えつつ、社長と三村様との3人でエントランスに到着致しました

すると、迎えの車に乗る前に社長が私の方を振り返ります

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