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泣かぬ鼠が身を焦がす

第27章 苦あれば


「それは、お前が俺のことを望んでいるからだ」
「はぁ? ふざけんなよ」


不愉快な発言に睨みつけて文句を言う

けどそんなこと意に介さないその人は


「お前が強請るから、仕方なく抱いてやってるんだろ? ……ほら」


と、喉を鳴らす嫌な笑い方をした


ほら?
何が「ほら」なんだよ


何かを示すような言葉に違和感を覚えて、その人の視線を追って自分の身体を見る


「!?」


すると何故か俺はさっきまで着ていた筈の服を着ていなくて、全裸のまま両脚を大きく左右に開いていた


「なん……っ!? なんだよ、これ……!!!」


急いで脚を閉じようとしたけど、何でか全く身体は言うことを聞かない


「お前から誘っているだろうが。何の間違いもない」
「はぁ? やめろ、ふざけんな! 近寄んな!!!」
「そんな格好で言われても、説得力に欠けるぞ」


なんで
俺こんな


見ればスーツを着ていた筈のその人も、いつの間にやら全裸になっていた

そして俺に覆いかぶさる


なに
なんで


何よりショックだったのは、そんな状況で見た俺の下半身が萎えてるんじゃなくて勃ってること


なんで俺
嫌なのに

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