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泣かぬ鼠が身を焦がす

第28章 画竜点睛


尚も無視を決め込む俺に、拓真さんは次どう出るかなーなんてちょっと楽しくなりつつ考えていたら
拓真さんは


「…………ちゃんと寝ろよ。おやすみ」


と言って立ち上がってしまった


え!?

ちょっ、なんでそんな弱気なんだよ


俺は慌てて部屋から出て行こうとしていた拓真さんの服の裾を掴んで引き止める


諦めよすぎだろ……!!


「純?」
「…………」


でも、無駄に不機嫌な態度を取っていたせいで俺は正直になれず無言になってしまう


「やっぱりどこか痛いのか?」


拓真さんが改めてしてきた質問には首を横に振って答えた


違くて

あーもう
なんで伝わらないんだよ


「……っ」


俺は絞り出すような声で言った


「……俺も…………拓真さんのこと、抱き締めたい…………」
「!」


拓真さんのちょっと驚いた感じの顔に苛立ちが募る


もーー!!
もーー!!!

わかってよ!!!
ばか!!!


俺は顔が沸騰しそうなぐらい恥ずかしくて、最初は拓真さんの腰あたりだった視線がとうとう床を眺めるまで下がってしまった

すると、視界に映っている拓真さんの足が動いてベッドの方へと寄った

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