
泣かぬ鼠が身を焦がす
第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)
そして
「俺の、手首……それで縛って欲しいんです……」
と仰いました
「!?」
……なるほど
そういうことですか
ということはやはり私の奴隷に、というのは本当に思っていることだったのでしょうか
「……わかりました」
私は今後三村様が形成逆転を狙ってまた私を襲うことも危惧して、言われた通り三村様の両手首とベッドヘッドの柵を一緒に縛りました
「……ん……」
「すみません、痛かったですか?」
「いえ……大丈夫です……」
頬を紅潮させている三村様がうっとりとした目つきで私を見上げます
縛り終えると、男性がベッドに縛り付けられているという異様な状態になってしまいました
「それで……その、俺の……服……」
「服? 服をどうして欲しいんですか?」
「脱がせてください……」
「わかりました」
ここまで来たらどんなに暴れられても三村様に何かされることはないだろうと、私は三村様に言われるまま着ていたワイシャツをはだけさせます
すると、顔を真っ赤にしている三村様が
「それで……その……ち……」
と言いかけて止まってしまいました
「? ち? 何ですか?」
