テキストサイズ

泣かぬ鼠が身を焦がす

第33章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー2)


ある程度お湯が溜まり、私の気持ちも落ち着いてからベッドルームに戻りました

部屋に入るとまだベッドに横になられていた三村様が勢いよく振り返られます


「ありがとうございました……あの、お風呂……入れてきて頂いて……」


腰が痛むのでしょうか
少し腰を庇っていますね


「お湯が溜まったので、行きましょうか」
「はい……っ、あ……」


私が三村様を持ち上げると、三村様は切なげな声を出されました


「危ないので動かず、力を抜いていて下さい」
「……はい……」


横抱きにされた三村様は大人しく頭を預けられます

そして


「以外と筋肉があるんですね……」


と呟かれました


「そうですね。秘書とは言っても少しは鍛えないといけませんからね」


三村様も十分しっかりした身体つきをされていると思いますが

男性ですし、細身に見えても軽くはないですからね


すると、三村様が小さく「ふふふ」と笑いました


「?」
「俺を投げただけありますよね」
「……その節は本当に申し訳ありませんでした……」
「いえ、あの時は俺が悪かったので」
「……」


こんな風に謝罪をされるなんて、三村様は本当に変わりましたね

ストーリーメニュー

TOPTOPへ