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泣かぬ鼠が身を焦がす

第7章 馴染めば思う


寝る前に思った通りあの夢は見なかった

浦島太郎みたいな動物を助ける夢を見た俺は、頭にある違和感で目が覚めた


「……ぅん……」
「起きたか?」


目を開けると目の前にあるのはもはや馴染んだと感じてしまうほどになった杉田さんの顔


なんで頭撫でてんのこの人


頭の違和感の正体もわかり、大きな欠伸をする


「体調は?」
「まずはおはようじゃないのか?」


はぁ?
起きたてから絡んでくんなよ

めんどくせー


「…………はよ……」
「おはよう。大分いい。1日寝たお陰だな」
「1日、って……今何時?」
「夜中の2時だな」


えーー
寝すぎた

これは完全に今からはもう寝れないぞ

でも、腕も熱くないし熱下がったのは良かった


もう1度欠伸をしながらもぞ、と動くと熱のある人とくっついていたせいで、じっとりと汗が滲んでいることに気がついた


「……暑い。離れて。俺シャワー浴びてくる」


杉田さんも汗かいてるだろうから後で蒸しタオルでも作ってやるか


と思いながら身体を起こすと、手首を後ろから掴まれる


「なに?」
「俺もシャワー浴びる」
「は?ダメに決まってんだろ」

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