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(旧)短編☆中編小説集

第9章 誘惑~からのLOVE①

・北山side

ベットの上で煙草を吸っている藤ヶ谷、なにをしてもさまになる。



藤「なに?お前も吸うか」

北「いい」

藤「そっ、しかしよくやめられたよな」

北「藤ヶ谷はやめる気ないの?」



ふっと笑い―



藤「腰、痛む?」

北「なっ、そういうの聞くな」

藤「あはっ、恥ずかしいんだ」

北「リアルすぎるんだよ」

藤「クスッ」



ったく…



藤「これから、どうする?なんだったら」

北「帰る」

藤「…っ、そっ、タクシー呼ぶ?」

北「いい自分で拾うから」

藤「分かった、でも、シャワーくらいは浴びてけよ」

北「えっ?」

藤「俺のが中に入ったままになってるんだしさ」

北「なっ」



カァーッと真っ赤になっているだろう顔を隠し急いで浴室へと向かう。

藤ヶ谷のバカっ…



北「聞けなかったな、フッ」



ボソッと口から出た言葉、あいつがどうしてあの店にいたのか?

いつから、俺を見ていたのかを。



藤「服ここに置いとくよ」

北「おう、Thank You」



ジャーッ、ジャーッ!



北「ふぅーっ、あまり深く考えるのはやめにしよ」



そしたらあれもこれも気になってキリがないから。

ガチャ!

シャワーが終り、浴室から出ると。



藤「あ、うんそう…わた、何時に来る?」



横尾さん?

俺とヤったあとで横尾さんと話をしているのか、アハッ!

なんも言えねぇ…

片手を上げ“じゃあな”と口を動かし。

チラッとこっちを見たその視線を確認してから黙って部屋を出た。

虚しさが心に響き…





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