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(旧)短編☆中編小説集

第9章 誘惑~からのLOVE①

・北山side

藤「ふぅーっ」



ギュッとにぎられた両手、俺を見下ろす少し汗ばんだ顔。



藤「1回戦、終了な」

北「えっ?」

藤「だから、チッ、お前2度も同じこと言わせるなってこのあいだ言ったばかりだろ」

北「だって藤ヶ谷、今1回戦って」

藤「なに?」

北「あ、いや別に」



まだする気なんだ、どんだけ溜まってるんだよ。

この間、したばっかじゃん



藤「北山、ビール飲む?」

北「あ、うん」

藤「ちょっと待ってて」



―が、それでも時折みせる藤ヶ谷の優しさに俺の心は翻弄され。



藤「はい」

北「Thank You」

藤「お疲れ、チーン ごくっ、ゴクッゴクッ」



藤ヶ谷のノド仏をジーっと見つめていたら。



藤「どこ見てるんだよ」

北「あ、うん、ゴックン」

藤「やっぱ、汗かいた後のビールは美味いよな フッ」



少し機嫌、直った?



藤「おつまみもあるけど、食う?」

北「あぁ、フッ」



再び、席を立つ藤ヶ谷。

こうしていると、いつもとなんも変わらないんだけど

なぜ豹変してしまうんだろうか?

それが、その原因が自分にあるだなんて思いもせず。





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