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(旧)短編☆中編小説集

第10章 誘惑~からのLOVE②

・横尾side

横「誰に掛けてたの」

藤「えっ?あ、ちょっと」



ミツだな…

なんだか疲れたきった顔をしている太輔。

きっと、いろいろ考え込んでいるんじゃないかと。

会ってすぐそう思った。



藤「わた」

横「なに」

藤「俺のこと好き」

横「もちろん」

藤「酷いことをしていたとしても」

横「誰に対して」

藤「‥‥‥」



そう聞くと黙り込んでしまう。



横「明日、久々に皆で食べに行こうか」

藤「えっ」

横「それとも、俺の自慢の手料理を御馳走する?」

藤「‥‥‥」



ダメか?その沈黙―



藤「今度にしない」

横「(やっぱり)…太輔」

藤「急だし」

横「用事があるの」

藤「うん」



それってミツと?



横「分かった、じゃミツと相談し改めてセッティングし直す、それならいい?」

藤「北山と?」

横「そう」



すると少し考え込むような仕草をし。



藤「…分かった」



歯切れの悪い、返事をして来て。



横「そっちはどう?裕太」



家に帰ったあと俺は―



玉「それが行けなかったんだよね」

横「断られちゃったんだ」



裕太に、連絡を取ってみたんだ。

やっぱりミツの様子もおかしいらしく。



横「引き続き、様子を見ていてくれる」

玉「ガヤは大丈夫なの」

横「んー微妙」



ことを起こしているのは、太輔のような気がするし。

ミツは、それに応えているだけ。



玉「みんなで飲みに行くっていうのはどう」



食事会じゃなく?



玉「アルコールが入った方がボロ出やすいし」

横「上手く行くかな」

玉「2人がダメでも宮田やニカ千賀が崩れるっしょ」

横「なるほど巻き込んじゃえばいいって事か」

玉「今度の魔ジックの収録のあと」



いいかも知れない。



横「分かった太輔やミツには俺から言っとく」

玉「じゃ宮田たちには俺が」



しかしそれがとんでもない事を引き起こす要因になろうとは。

俺も裕太も思いもしなかったんだ。

太輔お前、何やってるんだよ!?

その形相を忘れる事ができない。

必死で見せまいとする…

だったら何故、こんな所でこういう事をする?

俺は、見てみぬ振りをするなんて出来なかった。

2人は自分にとって大切な存在だったから―





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