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(旧)短編☆中編小説集

第10章 誘惑~からのLOVE②

・北山side

藤「北山はそれでいいの」



優しい口調で藤ヶ谷が問う



北「俺…は」

藤「俺には何も言う資格はないのかもしれない」

北「‥‥‥」

藤「お前を傷つけ、いたぶった」

北「んなこと!」

藤「本当のことだろ、フッ」



寂しそうに笑い。



藤「だけど、クッ」

北「‥‥っ」

藤「どんな形であれ、触れ合っていたかったんだ」

北「藤…ヶ‥」

藤「自分のものでいて欲しかった」

北「おまっ」

藤「わたとタマにめっちゃ怒られたけどな、フッ」



そんな顔をし笑うな辛そうな表情で。



北「…バカか」

藤「えっ」



だから、俺は言ったんだ。



北「俺だって思っていたさセフレでもいい傍にいたいと」

藤「おまえ」

北「藤ヶ谷が大好きだから藤ヶ谷の腕の中で包まれていたかったから」

藤「ごめん」



ギュッと再び強く抱きしめられる。



藤「北山は、セフレなんかじゃない」

北「藤…ヶ谷、クッ」



そして見つめ合い―



藤「愛しているよ」

北「…っ、もう1回、言って」

藤「愛している、フッ」

北「もう…いっ‥かい」

藤「愛している北山 ニコッ」

北「藤ヶ谷あぁーっ」



その首に、手を回して抱きついた。



北「俺も…ヒック‥俺…も」

藤「キス、してもい?」



コクンと頷くと優しく触れ合うかのようなキスをする

藤ヶ谷、もっと。

俺は催促するかの如く自分から、その咥内へ舌を差し込んだんだ。



藤「んむっ、北山だめっ、そんなことをしたら欲しくなっちゃう」



構わない、俺はお前のだから好きにしていいんだよ。

気持ちを行動で示し。

するとグイッと身体を引き離されて。



藤「今日はだめっ、フッ」

北「どうして」

藤「気持ちは嬉しいけど、北山 心と身体が参ってるでしょ」

北「心は復活した、フフッ」



藤ヶ谷のお陰でさ。



藤「だけど身体は疲れてるまずはちゃんと寝て、ヤるのはそれから」



ヤるだなんて藤ヶ谷さん、相変わらずエッチですな。



北「分かった」

藤「いい子、ニコッ」



それから、俺達は寄り添うように眠りにつき。

翌朝―

トントントン、心地よいまな板の包丁で何かを切る音と。

漂う、味噌汁の匂いで目を覚ます。






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