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第2章 はじめまして


学校の最寄りで電車を待っている間、
堀北はなんだか緊張した様子だった。


「なあ島田」

『ん?』

「お前、ギターとかやってたりしない?」

驚いた。

『………やってる』

なんでバレてるんだ!?
中学だとなんだか言うのが照れくさいし、まだまだ下手だからギターやってるなんて言ったことないのに…。
堀北はエスパーなのか…??

「まじで!???!?おい!!まじ!???」

それを聞いた堀北は、すごく嬉しそうだった。

『嘘なんかつくわけないだろ、というかなんで?』

「俺とバンド…組んでくれないかなーって思って…
 俺ドラムでまだまだ下手だけど、この学校の後夜祭にバンド組んで出るのがちょっとした夢でさ…。もう一人、ボーカル決まったんだけど…。あ!いた!おい、洋介!」

そう早口で言うと、20m程離れたところにいる同じ制服を着た男子生徒を呼んだ。呼ばれた彼は一瞬ビクッとしてからこっちに駆け寄ってきた。

「呼んだ?」

「呼んだよ~、あ、島田、紹介するね。
 こいつがうちのバンドのボーカル兼ギター神山洋介くん。さいっこうの声してるから、期待してて」

『…はぁ』

神山くんはすらっとした長身で、校則が厳しいうちの高校では珍しく茶髪にゆるくパーマをかけていた。顔もキリッとしていてかっこいい。

おれとは遠いジンシュ様だなあ…

「神山です、国際科1年!
 あ、呼び捨てでいいよ!
 なぁ堀北、彼も高1だよな…?」

年下と思われてたのかおれ…
確かに180cm近く身長がある神山とは違って、
おれは162cm程しかないけど…

「ああそうだけど…ってかおい島田、自己紹介!」

『ああ…、理数科1年島田将生です
 ギターやってます、よろしく』

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